善意の波動に目覚めたリュウ

俺より優しい奴に会いに行く

ロックマン論

ほとんどの男の子が一回はプレイしたこと

あるはずのロックマン


スマブラウイイレといった、

リア充御用達ゲームの話は

学校でもみんなすることが出来た。


だけどロックマンは…?

思春期を超えたら誰も口にしなくなった。

「あ〜、昔やってたなぁ」というポーズを

とるようになった。


ロックマンの話をしてたのはオタクたち。

オタクの中でも、ガンダムほど深くない、

浅くてライトな、中途半端なオタクたち。

リア充どころか深めのオタクからも

舐められてしまうような、

ある意味最下位層の人間だけが

ロックマンオープンに愛していた。


そして数少ないロックマン好き同士、

中途半端なオタクたちさえも同族嫌悪で

ロックマン好きの人間を忌み嫌っていた。


でもみんなの家に必ずロックマンはあった。




子供っぽさが振り切れているような

例えば、アンパンマン仮面ライダー

オープンに愛しても大丈夫。

振り切れていれば「僕は童心を忘れてない」

というアピールが可能だからだ。


ガンダムは既に大人が夢中だったから

「僕は大人が見てる作品にも理解がある」

という背伸びが出来る。

リア充や女子からしたら

知ったこっちゃないが、当人たちには

謎の矜持があるのだ。


ロックマンの子供っぽさはピンポイント。

キツイ言い方をしてしまえば

「小学生の男の子って、

こういうの好きそうだよね…(うわぁ…)」

というコンテンツなのだ。


女子の目が気になる思春期を迎えたら

「ダサい」と切り捨てたくなってしまう

かわいそうなコンテンツだったのだ。


しかし、リア充の家に遊びに行けば

リア充ロックマンをプレイしていた。

「久しぶりにやろうかな」とか言いながら

壁に最強のパスワードのメモがあった。


みんなみんなロックマン恥ずかしがって

ロックマン好きを必死に隠した。


テレビでロックマンを取り上げることは

少ない。恥ずかしいから。

アメトーークロックマン芸人はやらない。

だって、恥ずかしいから…!!


かわいそうなロックマン

中途半端な立ち位置のせいで

「新作…出して、いいの?…かな?」と

カプコンも頭を抱えた。


かくして、ロックマンは死なない程度の

低空飛行を続けた。

好きなんだけど、オープンには愛せなかった

子供たちが黙って金を払ってくれるレベルの

大人になるのを待ち続けた。




…2018年、ロックマン30周年。


時は満ちたり。

アニバーサリーや無印の新作の発表。

おめでとう、ロックマン

僕はずっと愛していたよ、ロックマン


これでぜんぜん売れなかったら、

オープンに愛さなかった時間が長すぎて

本当に愛想をつかされてしまったのか。


そもそも僕の分析が最初からおかしいのか。


うまくいかなかった学生時代の思い出を

全部ロックマンのせいにしてるだけなのか。



でも、いやもう…とにかく売れてほしい…。

頑張れ、ロックマン


ちなみに僕は買わない…。

ごめん、ロックマン


だって僕には家庭があるから…

今度は僕が、娘や奥さんにとっての

ロックマンになるんだ…。


と思っていたけど

たまに奥さんがワイリーだと

思える瞬間があるんだ。


産後ガルガル期っていつ終わるの?

教えてくれ、ロックマン…。